| ■松島アキト 解説
東京立川市に松島晃氏の長男として生まれた暁人。管理人”飛丸”がクライミングを14歳で父親の影響で始めた当時、親父と松島氏が知り合いだったこともあり、小学生だった暁人の姿を私も覚えています。小さな暁人が松島氏のサポートで果敢に岩場を攻める姿は『こいつは将来うまくなるだろうなぁ』と思わせるものがありました。
しかし、その後彼はしばらくサッカーに熱心になったようでしばらく姿を見なくなりました。時が過ぎ私が旧ランナウトをやっているときに、珍しく松島氏が現れこう言いました『たけちゃん、今度暁人が遊びにくるからよろしくね!』そう聞いた私は割と無口で小さかった暁人を思い出していました。
数日してなにやら今時の高校生らしきやつが来たなぁと思ったら『やまたけさぁ〜ん、暁人ですよぉ、わかりますかぁ??』ととぼけた挨拶が。ずいぶん会っていなかったのでずいぶんでかくなったなぁというのが率直な印象でした。
暁人のクライミングスタイルは自分で言うのもなんですが、私のクライミングスタイルにかなり似ています。瞬発力を武器に跳ねるように登っていくものです。ただ、私は見るからに筋肉を使って行くのに対して、暁人は軽さでポンポンと登っていくのです。体つきがどこにそんな力があるのか??と思うほどペランとしているのに、ホールドを押さえる力はかなりのもの。ポケットが若干苦手なのを除けば日本でもトップクラスの瞬発力でしょう。
私は昔から筋肉質で筋肉を付けて力でスピードを作り出し、高速で登っていくスタイルなのですが、いつ見ても暁人はペランペランの薄っぺらい体つきのまま変わりません。それでもちょっとづつ筋肉も付いてきたようで、未だにランナウトに来る度に『最近筋肉付いたんすっよぉ〜。いやぁ〜困っちゃうなぁ〜』とわけの分からないことを言いながら上半身を見てくれとアピールします(笑)
でもいつ見てもペランペラン。よぉ〜く見れば確かにちょこっと付いたような・・・・そんなレベルです。なのにどうしてあんなのぼりができるのか不思議です。
アキトのライバルでもある茂垣啓太や渡辺数馬のように筋肉が付いているが、ものすごく細い体つきっというわけでもない。贅肉が全然ないガリガリとも違う、独特の体つき(笑)。きっとコレも彼の特徴なんでしょうね。
私もそうですが、彼も始めたころは今と違って同世代のクライマーがほとんどいないような時代でした。ですので最近のクライマーの低年齢化と男女比の変化には目を見張るものがあります。ジムの登場で幼くして簡単にクライミングを始める環境ができ、10代半ばで既にキャリア7〜8年というクライマーも珍しくなくなりました。子供のころからアキトを知っている私には、いつの間に彼が周りの若いクライマーから『アキト”さん”』などと、さん付けで呼ばれていることに驚きました。20代の半ばのアキトはすでに『中堅クライマー』なのだそうです(笑)。アキトの人柄もあってか、彼の周りには若く高いモチベーションをもったクライマーが集まり、『松島組』なるものを自然結成。アキトは『親分』と呼ばれているとか(笑)。
アキトがランナウトに来た当初はいわゆる今時の高校生でした。馬鹿か??と本気で思うこともしばしば。ただ、暁人の良いところは嫌味のないところ。アホなことをしょっちゅう言って、自分勝手なお願いをされてもなんだかんだ言って『しょうがねぇ〜なぁ〜』とつい面倒をみてしまうようなところがあります。
そんなアキトも色々大人の人と接しているうちにだいぶ大人っぽくなってきました(あれでも)。全くというほどまともな敬語も使えなかったのに、最近では最低限は使えるようにもなったみたいだし。昔『〜でございます、って言うんだよ』と敬語を教えた時に彼は『なんすかそれ??江戸時代の言葉じゃないですか?〜でござるとかと同じでしょ?』と言ってのけたつわものだったのに(笑)
日本だけでなく世界的にクライマーの低年齢化が始まっており、若い力とこれから熾烈な競争をアキトはしていくことになります。アキトは追う立場から追われる立場になって行くわけです。そして日本には平山ユージ、小山田大という世界に名の知れた2大クライマーが存在します。アキトは若手に追いかけられつつ、平山、小山田という大きな壁にも挑戦しなければなりません。相当難関ですが、楽しみでもあります。
アキトがこれからどのようなプロクライマーになっていくのかは分かりませんが、影ながら応援したいと思っています。
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